適応支援

安定した職業生活を送れること、長く働けることを目指し、職場適応のための講座を行います。

訓練生に対する職場適応支援

職場適応についての支援については、以下の図に示す講座を用意しています。
導入期の訓練における取組状況を踏まえ、各訓練生にとって受講が必要な講座を選定し、適応支援計画として取りまとめ、これに基づき計画的に受講を進めることにより職場への適応力の向上を図ります。

1.受講対象者

  • すべての科の訓練生で、職業リハビリテーション計画、適応支援計画に受講が盛り込まれている訓練生
  • * 職業リハビリテーション計画:職業評価の結果に基づき、目標達成に向けて取り組むべき支援計画の内容を個別に作成するもの
  • * 適応支援計画:適応支援上の課題を整理し、訓練期間を通じて行う適応支援の内容を個別に作成するもの

2.講座内容

講座内容
自己理解
  • 就職活動や職業生活を円滑に行うため、自分についての理解を深めます。
  • 応募先の企業に自分のことを知ってもらうための自己紹介状を作成します。
自己紹介状の作成
【全3回】【6時間】
  • 就職活動に向けて、アピールポイント、苦手なこと、苦手なことを補う工夫、職場に配慮を依頼したいことを整理します。
  • 整理した結果をもとに、「自己紹介状」を作成します。「自己紹介状」は職場実習や採用面接の際に、事業所に自分自身について知ってもらうために活用します。
セルフケア
  • 緊張、不安、疲労を和らげるためのリラクゼーション技法を学びます。
  • セルフケアのスキルを身につけ、ストレスや疲労に対する適応力を高めます。
リラクゼーション
【全2回】【2時間】
  • 緊張、不安、疲労などを和らげるためのリラクゼーション技法(呼吸法、漸進的筋弛緩法、ストレッチ等)を演習します。
ストレスと疲労のマネジメント
【全4回】【8時間】
  • ストレスや疲労に対する適応力を高めるために、心と身体の変化に気づき、対処するための方法を解説します。
  • 演習を通して自分自身のストレッサーやストレス反応、対処方法を確認します。
認知再構成~思考の柔軟性を高める
【全4回】【8時間】
  • 認知行動療法の考え方(コラム法)を活用し、ネガティブな感情や不適応的な行動と関連する考え(自動思考)に気づきをむけ、より柔軟な考えを検討できるようにグループでの事例検討を通して考えます。
コミュニケーション
  • 職場で必要となる対人技能について、より良い表現方法や振る舞い方を学びます。
  • 自分も相手も大切にするコミュニケーションについて学びます。
職場のSST
【全4回】【8時間】
  • 職場で必要となる対人技能について、より良い表現方法や振る舞い方を学びます。
  • 具体的な場面を想定した演習(ロールプレイ)をします。
    ※SST(Social Skills Training;社会生活技能訓練) 対人関係を中心とする社会生活技能などを高めるための支援方法
アサーショントレーニング
【全3回】【6時間】
  • 自分も相手も尊重する建設的なコミュニケーション(アサーション)の考え方と実際について学びます。
  • 演習が中心です。練習問題として架空場面のセリフ作りに取り組むほか、参加者が普段困っている場面をテーマとして取り上げる場合もあります。
問題解決
  • 自分自身が抱える問題について解決を図る方法を学びます。
  • グループや個別で場面設定し、対処方法を検討します。
問題解決技能トレーニング
【全4回】【8時間】
  • 日常生活や職業生活の中の困りごとを解決するスキルを学び、日々の悩みを減らして元気に過ごすことを目指します。
  • 演習が中心です。3~4人のグループで練習問題(架空事例)に取り組むほか、参加者の了承を得た上で、実際の問題をテーマにする場合もあります。
総合演習
  • 少人数のグループで役割分担をして1つの課題に取り組み、成果物を作成します。
  • 受講した講座で習得したことが実際場面で発揮できるかを確認します。
ジョブリハーサル
【全2回】【8時間】
  • 実際の職場に近い模擬的な環境を設定し、チームで協力しあい、負荷のある作業課題を行うという取り組みです。
  • 作業課題には、職場で生じることが予想されるさまざまな負荷(納期、予定の変更、交渉・調整、役割に応じた責任など)が設定されています。さまざまな負荷に対して、他の適応支援プログラムで学習した内容を活用し、対処していくことを目的とします。
  • 作業課題を終えた後は、課題遂行中にとれていた行動や生じていたストレス反応をふりかえり、今後とることが望ましい行動を明確にしていきます。